ひさびさの素晴らし・・・かった仲間たち(爆)
はい、ではひさびさのミューラァ萌えです~(笑)
例のみどりさん聞いたから創作意欲が湧いた、なんて事はありませんが(苦笑)、アップするタイミングを逸してたので良い機会かと。
設定は、一年先輩のデル・エルは卒業してて、ミューラァの学年も卒業までもうあまりないという時期。相変わらずアバウトな設定ですんません(^^;)
そして相も変わらず箇条書き的に散漫な文章・・・脳内補完をお願いいたしますー(^^;)
「大変だ!」
クラスメイトが教室に飛び込んできた。卒業もほど近いある日の昼休み。
「デル・エルが軍を辞めたって!」
一瞬室内が沈黙に包まれる。
「それ、本当か?」
「でたらめなこと言うなよ」
そんな声が上がる。
「本当だ!今電話で兄さんに聞いた。デル・エルが辞めたって」
その言葉に、室内が一斉に騒がしくなる。
「あいつ、辞めたのか・・・」
ミューラァの側でアルが呟くように言った。そして、ふいにミューラァを見て、
「おまえ、あんまり驚かないんだな」
ミューラァはふた月ほど前にデル・エルが自分の部屋にやってきた時のことを思い出していた。
何かの気配を感じて、ミューラァは目を開けた。
「また熱出したんだって?」
声のした方を見る。
「デル・エル!」
思わず言ってしまってから、
「・・・先輩」
そう付け加える。
デル・エルは苦笑した。
「もう卒業してるんだから先輩じゃないだろ。デル・エルでもエルでもデルでも好きなように呼べよ」
ミューラァは階級章を目で探ろうとしたが、デル・エルは私服だった。
ミューラァは上半身を起こした。
デル・エルは近くの椅子をベッドの側に引き寄せて腰掛けた。
「それにしてもお前、ホントは体弱いんじゃないのか?」
体が弱いという実感はないが、異種同士の血が混ざり合っている弊害か、ミューラァ自身原因の判らない高熱が出ることが思い返せば何度かあった。特に成長期に多かったような気もする。しかし、体が弱いと言われてそれを肯定するなどミューラァには本意ではない。
「誰だって熱くらい出す」
「まあそうだな」
「ところで、何の用です?」
「お前が寝込んでるって聞いたから寝込みを襲いに来た」
ミューラァはしらっとした顔でデル・エルを見る。
「そこで笑うかつっこむかくらいしてくれないと俺が困るだろ」
デル・エルが照れくさそうに言い、
「用事で学校に来たらお前が寝込んでるっていうから、一応見舞いにな」
「それはどうもありがとうございます」
嬉しくもなさそうに言うミューラァに、デル・エルは思わず微笑する。熱の出ている時のミューラァは、いつも人に対して作っている壁とでもいうものが低くなってしまうようなところがあって、その分感情表現がいつもよりもストレートになってしまうようなのだ。本人は分かってはいないが周りの者は気づいていた。
「で、あなたが今年のリクルーターなんですか?」
「ん?」
「戦略分析局の。リクルーターが勧誘しに来るシーズンでしょう?そろそろ配属希望提出する時期ですし、早いヤツは決まり始めてる」
卒業生がその母校に優秀な生徒を勧誘しに来るという慣習がある。余所の部署に配属希望を出させないためというのもあるが、あらかじめお互いの合意がある方が話が通りやすいし、人事の面で手間が省けるという利点もある。優秀な士官候補生を欲しいのはどこの部署でも同じなのだ(って、本当に軍でこんな方法がとられているかどうかは疑問。でも、優秀な士官候補生にうちに来ないかって勧誘するの、一部ではあっても不思議はないと思うのよね~)。
「あ、ああ、まあそれもあるかな」
デル・エルは迷うように一瞬口を閉じ、
「なあ、一度聞いてみたかったことがあるんだか」
「?」
「怒らず聞けよ」
「なんですか、焦れったい」
熱のせいでミューラァの口調はストレートだ。
「いつからお前が自分の中の地球人の血に折り合いをつけたのかと思って」
一瞬ミューラァの顔から表情が消える。目が細くなる。
「興味本位ですか」
「それだけだったらこんなこと聞けない」
ミューラァは俯いてシーツの上の自分の手を見つめた。
デル・エルの静かな声が続ける。
「地球人との混血のお前が軍に入ろうというんだ、並大抵の覚悟がなければそんな決断はせんだろう。飛び級までして士官学校に入って・・・。いったいどういう風にして自分の中の地球人と折り合いをつけた?」
「折り合いは・・・ついてない、つくことはない、そう思います。俺が自分をククト人だと言えば言うほど周りはより俺を地球人として扱う。だからといって俺は自分を地球人だと思ったことは一度もない。地球人の血が入っていようと、俺はククトしか知らない。ククト以外俺の住むところはない。それでも俺は純粋なククト人ではない。分かっていても認めたくない。この身体の中に自分だって感じることさえ出来ないのに地球人の一部がある・・・。俺が自分が純粋なククト人ではないと思い知るのは、いつも自分以外の人間に指摘されるからなんです。・・・逆に言えば俺の地球人としての自覚なんてそれくらいだ」
最後はこころなしか吐き捨てるような口調になった。
「ククトに生まれククトに育ってククトしか知らず・・・それでも地球人の血を消し去ることも出来ない。お前がククト人であることを自然に求めれば求めるほどその矛盾が、この先もっとお前を苦しめることになるのだろうな。ククトで生きる以上、軍で生きていく以上、お前は自分がククト人であることを、より優秀な軍人であることを常に証明し続けていかなければならない」
そう言ったきり、デル・エルは黙り込んでしまう。
その沈黙に耐えきれず口を開いたのはミューラァだった。
「何か、あったんですか」
「落ち着いて聞け。クレアドで地球人との戦闘があった」
ミューラァは無言でデル・エルを見る。
「まだ公式な発表はない。当分一般人には知らせないつもりなんだろう」
「・・・そうですか」
「あまり驚かないんだな」
「地球人が我々の星系で植民を始めた以上、いつかはそうなるのではないかというのが大方の見方だったですからね」
「・・・そうだな。今のところ全面的な戦闘にはならないようだが」
「話は、それだけですか」
「いや、お前がどこを志望しているのか、一応聞いておこうと思って」
「リクルーターとして?」
「いや、友人として、だ」
ミューラァはデル・エルを見た。目が合う。
「学年一位の成績者は、例年では戦略分析局からの勧誘があると聞いてます」
「ああ」
事実デル・エル自身がそうだった。
「でも、俺にはその話は来ない」
デル・エルは何も言わないことでそれを肯定した。
「そして、地球人との戦闘が始まったとなれば、自ずと俺の配属先は絞られてくる」
敢えて自分の志望先とはいわないミューラァの気持ちをデル・エルも察している。
「ククトは地球以外にもその内部に問題を抱えている。ククト人としての証を、武勲をあげることで立てていかなければならない私が選ぶ相手としては、これ以上うってつけはない」
ミューラァは感情を交えずに敢えて説明的に言う。
「リベラリストか」
デル・エルが言う。
「そうです」
「きっと、良い掃討者になるのだろうな」
「私もそれを望んでいます」
デル・エルは立ち上がった。
「具合が悪いのに邪魔をしたな」
「いえ」
デル・エルはドアのところまで行って立ち止まった。
「・・・お前は強いな。なんであれ、自分で選んだ道を行く」
ミューラァはデル・エルの言葉に、その口調に、奇妙な違和感を覚えて顔を上げた。
デル・エルは背を向けたままだ。
「これから、厳しい時が来るな」
それはミューラァへと言うよりは自分へ向けた言葉のようだった。
そしてデル・エルはミューラァの応えを待たずに出ていった。
ミューラァ自身、答えるべき言葉を持たなかったのだが。
「おまえ、あんまり驚かないんだな」
「ああ、まあな」
アルの言葉にミューラァは曖昧に答える。
あの日、デル・エルは一体何を思ってミューラァにあんな問いかけをしたのか。あの頃すでに軍を離れる決意を固めていたのだろうか。一体何を求めて軍を離れたのか・・・。
「上の方も相当慰留したらしいんだが、どうしても決意が変わらなかったらしい」
訳知り顔のクラスメートの周りに人垣が出来る。
「エル家の秘蔵っ子がこの時期に軍を辞めるなんて・・・」
「エル家だからこそこの時期に・・・」
「戦略分析局だから何か俺たちには分からない情報を・・・」
好き勝手に騒ぎ立てるクラスメートに一瞥を投げると、ミューラァは立ち上がった。
「どうした?」
「ここはうるさい」
ミューラァを見上げ、
「だな」
そう言うとアルも立ち上がる。
「ジュースでも飲みに行くべ」
そのまま二人で廊下へ出る。
「そういえばな」
ぶらぶらと歩きながら、アルがぽつりと言う。
「ん?」
ミューラァは窓の外をぼんやりと眺めている。
「配属先が決まった」
「ああ」
「恒星間輸送軍だとさ」
アルの家柄が導き出した閑職だ。だが、これからの情勢を考えると一概に閑職とも言えなくなってくるだろう。それはアルにもミューラァにも分かっている。
「お前は?もういいかげん内定出てんだろ」
「ああ。治安維持局だ」
「志望通りか」
ミューラァはそれには答えなかった。
後日またしてもデル・エルの噂が校内を駆けめぐることになる。リベラストへと身を転じたというのだ。しかしそれを証明できるものは誰もいなかった。
数年後、ミューラァは治安維持局で武勲をあげ、異例なスピードでの昇進を遂げる。
アルは星間輸送中に急襲を受け消息不明となる。相手はリベラリストとも地球人とも特定されていない。
・・・・・ごめんなさいー!
幸福な士官学校時代のツケをこんな風に払わされてしまうミューラァくん。オリジナルキャラを作ったらこんなにしてでも辻褄合わせなきゃいけないのようっ、という見事玉砕なお話でした。でも、自分なりには萌えなの、これでも。これで苦悩する萌えミューラァのできあがりー(爆)
ご意見苦情は暁まで(自爆)
« 11月ですか・・・ | Main | 欲しい・・・ »
「駄文@萌え置き場」カテゴリの記事
- 考えてみると(2004.07.26)
- 考え始めると止まらなくなる(爆)(2004.09.28)
- ひさびさの素晴らし・・・かった仲間たち(爆)(2004.11.06)
- ほのぼののはずが・・・@素晴らしき(以下略)(2004.11.19)
- 本日の自分的萌えネタ(2004.09.04)

Comments
面白かったですー。
なるほど、治安維持局→特務部隊って流れなのね。実力あればあるほど色眼鏡って路線一直線ですな(笑)。
輸送軍のあたりにはわたしも興味があって、そのうちネタにとか考えてました。が、そうかアルくんが配属されのか……期待していいですか?(爆)
青島氏……もといデル先輩、そんなことになりましたか……。
これでミューラァが捕虜になった時に会ったりしちゃったら悲劇ですなー。サライダ博士はただ迷惑なだけでしょうが、尊敬していた先輩がリベラリストとかいったらどうするんでしょう? まあ、それでも折り合いをつけていくしか彼にとって方法はないんでしょうが……。
Posted by: 深度測定長 | Saturday, November 06, 2004 at 02:35 PM
おおお!思いがけない成り行きに驚きですよ〜〜!
デル・エルがリベラリストに…
すごい面白いです〜〜!!
一体どういう風にして自分の中の地球人と折り合いをつけたかというデル・エルの質問に、答えるミューラァの言葉とそれを咀嚼していくかのようなデル・エルの言葉が重く。
そして
「きっと、良い掃討者になるのだろうな」
「私もそれを望んでいます」
が、二人の今後を暗示しているようで。(反乱分子って言葉をデル・エルが使わないのも)
ほんと…萌え〜〜と叫ぶのがためらわれるほど今回はシリアス路線ですね〜〜〜。でも描いてみたいです…分冊になりそうなボリュームですけど(爆)
軍服姿のデル・エル描けないのは残念ですが(笑)あ、代わりにリベラリストのデル・エル描くか。緑のアーミーコート着た(冗談です)(っていうかこういう冗談吐くあたり、萌え萌え言うのとどう違うというのか^^;)
……っていうかデル・エルって…まだOverdriveにちょこっとでてきただけなんですよねえ………なんて存在感なんでしょうか。これも青島似故……(笑)
Posted by: DORA | Saturday, November 06, 2004 at 06:54 PM
やはりDORAさんの描き方が次のドラマをそそられるキーになってるのではないかと。
アルくんしかり、デル先輩しかり、うちの双子兄弟しかり(笑)。
Posted by: 深度測定長 | Sunday, November 07, 2004 at 02:37 AM
コメントありがとうございます~<深度様、DORAさま
以前ご協力いただいたククト軍についてのあれやこれやの情報が無事活かされてますでしょうか・・・(^^;)
>実力あればあるほど色眼鏡
そうなんです~~。ミューラァの年に似合わない階級と、実力認められつつでも軍の上層部からはイマイチ信頼されてない、しかし部下からの信頼は厚そうで、そしてリベラリストには名指しで恐れられている(サライダ博士のせいもあるとしても)というあたりを鑑みると、治安維持局→特務部隊コースがもっともらしいかなあと。原作的に大丈夫な設定でしょうか?(^^;)
>アーミーコート着たデル・エル
み、見たい!・・・と思った私も大概にしろですが(苦笑)、そうですね、やっぱり青島似というあたりがかなり彼の話考える時には影響してると思います(笑)。格好いい青島求める本能(?)がデル・エルをして軍を辞めさしめたのかな、と(苦笑)
>「きっと、良い掃討者になるのだろうな」
>「私もそれを望んでいます」
実はここは自分的に書いていて非常にはまったなと思ったセリフでして(←自画自賛(苦笑)、そして、お気づきかもしれませんがミューラァが自分のことを“私”と言い始めるシーンでもあります。“俺”という自分自身を軍の中で生きるいち軍人としての“私”と客観視するようになる瞬間というか・・・(すんません、室井さんは入ってますか(^^;)。あああ、作者の戯言です~、解釈は読む方の自由ということでスルーして下され~~~~。
>描いてみたい
・・・なんてこと言って、聞き逃しませんよ~~~(笑)
いや、そう言っていただけると嬉しいです。でも、客観的に言って、ベッドサイドで語り合う二人ってだけの動きのない原作ですが・・・その分ミューラァと青島、じゃなかった(苦笑)デル・エルの顔がいっぱい見れて良いのかな。
無理はなさいませんように。でも楽しみに待ってますね~~~(^^)
ってことで、リベラリストになった“かもしれない”デル・エル、そして“行方不明”のアル。この二人とミューラァの後日談(バイファム本編以降かなあ)とか考えつつも、この辺までが自分の限界かなあ、なんて思ってます(^^;)。続きを書くかどうかは・・・・また萌えが溢れるようなら(苦笑)
Posted by: 暁 | Sunday, November 07, 2004 at 02:39 AM